

晩酌好きの父や夫のために、酒類やおつまみを挙げた人は多い。「うまいと連呼しながらビールをおいしそうに飲む姿は、私もうれしくなる」と話すのは、長野県の畜産農家の50代女性。「お互いに年を取っても仲良く畑仕事を頑張れますように」と望む。毎晩、一緒に晩酌しながら「明日の仕事の割り振りを考えたり、次の楽しみをつくったりできたらいいなあ」と願う。
一方、「食生活を見直して」と気遣う栃木県の野菜農家の30代男性は、「果物」を挙げた。「野菜や果物を食べないから健康面を考えた」と話す。
若者から高齢世代まで、幅広い層に人気だったのは牛肉。兵庫県の野菜農家の60代女性は、地元JAの直売所から届いた「父の日」向け「神戸牛」特売の案内を手にして「『ホレホレ』と紙を振って持ってきた」と報告。「しょうがないなぁ」としながらも日頃の感謝を込めて肉を振る舞うという。
「父」と「牛乳(ちち)」の語呂合わせの「父の日に牛乳を贈ろうキャンペーン」を本紙で知ったという茨城県のパート・アルバイトの30代女性は「乳製品」を挙げた。父とは同居しておらず、普段は簡単な連絡しかしないが、「『なぜ乳製品?』と驚いてもらい、そこから会話につながれば」と話す。
「勤め先で育てている有機野菜」と回答したのは、山口県の農業法人従業員の40代女性。今も自身を心配し続ける父に「こんなにおいしい野菜を育てて楽しく働いているから安心して」とのメッセージを込めるという。
60年ほど前、トマトを10アール栽培していた91歳の父を持つ大阪府の兼業農家の60代男性は「昔の品種のトマト」と回答した。
当時のトマトは「酸っぱかった」。甘党の父は「ざく切りトマトを丼に入れ、砂糖をたっぷりかけて食べていた」と振り返る。「今は寝たきりになって認知症も少しあるけど、若い頃を思い出してほしい」と、かつての味に思いを寄せる。


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