
提供する小麦を生産するのは弥彦村で大規模稲作を手がける農事組合法人第四生産組合。2016年産から4ヘクタールで始めた小麦の生産面積は、24年産は9ヘクタールに広がった。
同組合長の竹野勝行さん(49)は「米と作期分散できる小麦は今後も増産を進めたい」と話す。中華店のメニューやタペストリーでの掲載で地元産小麦の需要拡大を期待する。
県によると、23年産小麦の県内作付面積は164ヘクタール。県内のパン店など実需者からのニーズの高まりを受け、この10年で7倍以上に拡大した。
同法人の「ゆきちから」と北海道産小麦をブレンドして中華麺を生産し、中華店に提供するのは太洋軒製麺所(新潟市)だ。早川順也専務は「新潟はラーメン支出額が全国トップクラス。地場産小麦の麺を提案しようと、さまざまな県産小麦を試したところ、竹野さんの小麦が一番向いていた」と話す。タペストリーを見た県内のラーメン店から問い合わせがあるなど手応えを感じている。
中華店は、飲食業やホテルを展開する聚楽(東京)が運営する。新装開店以降、提供するラーメンや焼きそばなど中華麺を使うメニュー全てに、弥彦村産小麦が入った麺を使用する。創業者が現在の新潟市南区出身で、「会社として地元食材を使いたいとの思いがあった」といい、他の店舗での利用拡大も検討している。
(永井陵)