
同社は19年、国内需要が中心の印章業に加えて世界に広がるものを目指し、(株)新潟小規模蒸溜所を設立した。蒸溜所の堂田浩之社長(大谷取締役)は県産大麦を使うため、20年にJA新潟かがやき管内の同市秋葉区で耕作する(株)白銀カルチャーに、「ゆきはな六条」の栽培を依頼した。白銀カルチャーの荒木康男代表は「世界的な賞を取り、見事だ。これからも農工商で連携して取り組んでいきたい」と話す。
同蒸溜所のウイスキーは、リッチな味わいながらも淡麗で、余韻が長く残ると評判だ。現在は県内六つの法人・団体から計80トンを仕入れ、来年は4万キロリットルの蒸留を予定する。堂田社長は「今後も地元産麦のポテンシャルを最大限に引き出すウイスキーを造り、世界へ売り出したい」と意欲を語る。
今年から、ウイスキーの蒸留排熱でウナギ養殖も始め、餌にはウイスキーの麦芽かすを利用する。大谷は他にも、運営する社会福祉法人大谷ゆめみらいで20年にパンの製造・販売、23年にはうどん店と、麦関連の食品を手がけている。
