買い物困難者対策 9割の市町村が必要 農水省調査
アンケートは全国1033市町村が2024年10月に回答した。調査は毎年、同省が実施している。
人口規模の小さい都市ほど、買い物困難者の対策を必要とする回答の割合が高かった。対策を必要とする理由は「高齢化」が最も多く、次いで「地元小売業の廃業」「中心市街地、既存商店街の衰退」と続いた。
対策が必要とした910市町村のうち、行政か民間事業者により対策が実施されている割合は89%に上った。
具体的な行政の対策として「コミュニティバス、乗合タクシーの運行に対する支援」が81%、「移動販売車の導入・運営に対する支援」が34%、「買物支援バスの運行に対する支援」が15%だった。
対策を実施していない市町村の理由は「どのような対策を実施すべきかわからない」の割合が最も高く、「財政上の問題から対策を実施できない」の割合も2割と高かった。
移動販売車では買い物だけでなく、買い物に来る高齢者らの見守りも兼ねた体制を構築している傾向があった。
改正基本法では食料安全保障の概念として「一人一人の食品アクセス」が明記された。同省は「食品アクセス問題の解決には民間事業者や地域住民のネットワークなどによる継続的な取り組みが重要となる。食料の安定的な供給の観点から、関係府省も連携して取り組んで対策していきたい」とする。
(尾原浩子)