人気漫画「ベルサイユのばら(ベルばら)」が、農畜産物の販売PRに向けた有力なツールとなっている。31日からの劇場アニメ公開に向け、佐賀県は登場人物が同県特産のバラを贈る仕掛けを作ったり、和牛の赤身とさしでバラに見立てたりしてPR。食品スーパー・ベルクが豚バラの「ベルばら丼」を売り込むなど多彩な企画で、ファンを取り込む。

佐賀県は情報発信プロジェクト「サガプライズ!」の一環で、「ベルばら」とのコラボ企画を展開する。第1弾は、登場人物がバラを求めて佐賀を訪れるスペシャルムービー「ベルサイユのさが」を視聴し、感想を交流サイト(SNS)に投稿すると抽選で佐賀県産のバラが30人に当たる内容だ。
「ベルばら」の登場人物・オスカルからのメッセージカードが添えられ、1本のバラが届くという、ファンにはたまらない仕掛けも楽しめる。期間は28日から2月4日まで。
第2弾は、王妃マリー・アントワネットが愛したバラを、きめ細やかなさしが入ったブランド和牛「佐賀牛」で表現した”肉アート”ギフトを売り込む。オリジナルのパッケージにはオスカルとマリー・アントワネットが施され、周りはバラを模した和牛で埋め尽くされている。
2月9日の肉の日に合わせ、JAタウンで発売する。ロース500グラム、1万5920円。3月16日まで。
第3弾は「べつ『ばら』スイーツ」と題し、県ブランドイチゴ「いちごさん」を使い、タルト専門店のキルフェボンと共同で限定スイーツを展開予定。
プロジェクトの三島智子リーダーは「有名アニメとコラボすることで、佐賀県産品を売り込むきっかけになる」と魅力を語る。
ベルクは「ベルばら」とのコラボキャンペーンで、限定商品「ベルク豚バラ丼」(499円、税別)を発売した。商品名を略すと、作品名と同じ「ベルばら」とユーモアたっぷり。ガーリックペッパーライスに味をしみこませ大きくカットした豚バラ肉をのせた弁当で、3月4日まで販売する。

同社は独自電子マネーでも「ベルクペイ払い(ベルばら)キャンペーン」を展開する。「作品名にちなむことで印象に残るキャンペーンができる」(担当者)とアピールした。

劇場アニメの上映に合わせ、各業態とのコラボで盛り上がりを見せる。1972年から少女漫画誌での連載をきっかけに熱狂的な支持を集めた「ベルばら」。女性が社会に出て自分の道を切り開くテーマは、現代でも色あせない。親世代が子供と一緒に楽しめる作品として、さまざまな業態とのコラボが増えている。
(廣田泉、森井千尋)
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