食肉加工メーカーのニッシン・グルメビーフ(大阪市)は、骨の合成促進、免疫機能向上のための栄養素を摂取できるように加工した、国産牛・豚肉商品を紹介した。現在、開発中で、細かい針を刺して加工することで肉の筋を切り、やわらかい食感にするという。「介護施設や生協からの国産肉の需要は多い。高齢者にこそ健康維持のためやわらかいお肉を食べてもらいたい」(同社)とする。

農水省は、新しい介護食品の愛称として普及に取り組む「スマイルケア食」を紹介した。個人が食べる機能ごとに選べるように分類する。かむことや飲み込むことに問題はないが健康維持上栄養補給を必要とする人向けの食品も多い。「スマイルケア食」の許諾マークを付けた商品は増加中で、秋田の名物「稲庭うどん」のレトルト食品など国産食材を使用した商品もある。
高齢者向け食品の市場は拡大している。民間調査会社の富士経済は、高齢者向け食品の2025年の市場規模が18年比25・5%増の2046億円になると予測。フレイル(虚弱)・筋肉量の減少予防に対する関心の高まりを背景に、栄養補給食の需要が増加するとみる。業務用においても加工度が高く提供しやすいことに加えて栄養価が高い商品の需要が高まっている。