タケノコ相場平年比2倍 春商材として引きも全国裏年傾向で
タケノコの1日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1キロ1001円。前市から93円下げたが、平年(過去5年平均)比では2・1倍となった。裏年傾向の産地が多いことで3月下旬の7卸取引量は同75%減と、極端な品薄が続いている。
主産地のJA鹿児島県経済連によると、今年は裏年のため、3月末までの出荷量は表年だった前年同期比で7割減になっている。昨年の夏秋期の干ばつや、年明け以降長期化した冷え込みで生育も遅れ気味のため、「同じく裏年傾向だった23年よりも現状の出荷量はやや少ない」という。
表年の産地からの入荷も少ない。熊本県では主力の県北産地が表年傾向にもかかわらず、「昨夏の高温、3月の寒の戻りを含む年明け以降の低温で12~3月の累計出荷量は裏年だった前年比で半減している」。(JA熊本経済連)今後も大きな増量は見込めないという。
春商材としての需要は底堅い。ただ、品薄高での取引が続く中、スーパーの売り場は例年より狭くなっている。東京の仲卸は、4月以降は通常、各スーパーが売り場を広げる時期だが、「今年は最小限の売り場づくりにとどめる小売りが多い」と話す。