5月11日の「母の日」を前に生花チェーン各社の販促が本格化している。定番のカーネーションを主軸に花材や包装資材の色味にバリエーションを持たせてPR。環境に配慮した商品や寄付ができる商品なども売り込む。商戦により切り花の引き合いは強まる見通しだ。
青山フラワーマーケットは感謝の思いを花や色に合わせて選べるように幅広い商品を展開する。花束の包装にはペーパーの他、フリルも使い柔らかな雰囲気に仕上げた。アレンジメントや市場から直送するアジサイの花鉢などもそろえる。
日比谷花壇は国産生花の花束のセット商品や国産の大輪バラのプリザーブドフラワーを初めて扱う。環境にも配慮し、店頭限定ギフト商品では紙素材の包装に切り替えた。花瓶なしで飾れるブーケ「シュシュフルール」は3000円と5500円の2種を用意する。
生花店ネットワークの花キューピットはカーネーションやバラ、ユリなどを推す。人気はカラフルなカーネーションをまとめたアレンジメント(4400円、手数料別)やピンクのユリの花束など。
第一園芸は、カーネーションと西洋アジサイをオンラインで購入すると国際NGO団体を通じて1鉢当たり100円を寄付できる商品を用意した。世界の子どもたちを支援する特別な花ギフトで、大切な人に感謝の気持ちを伝えてほしいとする。
カーネーション(スタンダード)の23日の日農平均価格は平年比19%安の1本57円だった。東京の花き卸によると4月以降の切り花相場全体の落ち込みを引きずっている。ただ一部では「母の日」向けの仕入れが始まっており、取引が本格化する5月に向けて相場は上げていく見通しだ。
