[農畜産物トレンド調査](5)牛乳・乳製品 ヨーグルト伸び期待
乳業メーカーや小売り計37社が回答した。
2021年と比べ最も消費が伸びる品目(一つを選択)はヨーグルトが24%で首位となった。昨年は消費が停滞したものの、新しい機能性やフレーバーを持つ新商品の発売が相次ぎ、期待感が高まっている。昨年3位の乳酸菌飲料が22%で2位、昨年2位のチーズが19%で3位と続いた。
消費の伸びをけん引する分野では、「家庭向け」が68%で、「中食向け」(18%)と「外食向け」(14%)を引き離した。
消費が伸びる理由は、1位が「新型コロナウイルス流行以降の消費行動が定着する」(46%)となった。「新型コロナ流行前の消費行動に戻る」(18%)、「メーカーや業界を挙げた消費促進策が奏功する」(14%)に比べ回答が多かった。
ヨーグルトの消費増へてこ入れすべき要素(最大三つを選択)を聞いたところ、「新たな機能性の付与」(59%)、「機能性の周知」(46%)が1、2位に。「おいしさ・フレーバー」(41%)も支持を集めた。
牛乳類については「用途提案」が46%と最も多く、「便利な容器」(36%)を含め、使い道の広がりに活路を見いだす意見が集まった。「おいしさ・フレーバー」(27%)など風味の向上が大事との声も目立つ。
チーズに関する同様の質問では「価格」が50%と3年連続の1位。「用途提案」(46%)、「おいしさ・フレーバー」(41%)が続いた。輸入品との競合の中、割高感のない価格設定で、味わいや鮮度で差別化できる国産品が求められている。
生乳需給 見通し分かれる
コロナ禍の生乳需給への影響について、今後の見込みを聞いた。首位は「影響は残るが需要は上向く」で50%。「緩和傾向が長引く」も46%と肉薄した。19年以前のような需給逼迫(ひっぱく)を見通す声はなかった。
脱脂粉乳など乳製品在庫で必要な対策(最大三つを選択)では、「業界を挙げた牛乳の家庭消費拡大」が77%と圧倒的に多かった。「ヨーグルトやアイスクリームの消費拡大」と「輸入調製品や飼料用との置き換え」がともに31%で続いた。
一方、「政府による新たな補助事業の実施」(27%)や「政府開発援助(ОDA)での乳製品の輸出」(14%)など、国策での在庫解消を求める声もあった。生産基盤を損なう恐れがある「生乳の一時的な減産」(4%)や「増産ペースの抑制」(0%)は支持されなかった。