農作業時などの体への負荷を軽減できるアシストスーツの体験会が5日、大阪市内で開かれた。メーカー各社でつくるアシストスーツ協会が主催し、8社が出展。着用していても動きやすい製品や、着脱に手間がかからない製品などに注目が集まった。

イノフィス(東京都八王子市)は、腰への負荷を軽減する「マッスルスーツ Soft-Power(ソフトパワー)」を披露した。重さは430グラムと軽量で、高齢者や女性の利用に向くという。着用しても動作を制限しないため、「歩く、しゃがむなど動きの多い作業に最適」という。リュックのように背負って着用する。着用にかかる時間は10秒程度で、手軽に着脱できるのが特長という。

クラボウ
「休憩やトイレのたびに着脱するのが面倒で、アシストスーツを使わなくなった」。こんな農家の声を受けて開発した「CBW」を出展したのが作業着などを手がけるクラボウ(大阪市)だ。腰などを支えるサポーターとズボンを一体化させた製品で、自宅から着用していける。サポーターは面ファスナーを剥がせば緩められる。傾斜がきつくアシストスーツを持ち運びにくい果樹園などでも使用が多いという。正しい姿勢を保つため、肩を後ろに引っ張るベストと組み合わせて着用する。荷物を持ち上げる際の腰への負担軽減や、傾斜地での安定した歩行にも役立つという。

ダイヤ工業
医療用品などを手がけるダイヤ工業(岡山市)は、長時間手を上げたり、上を向いて行ったりする作業で、腕や首をサポートする「ダーウィン アゲレルデ」を展示した。果樹の収穫や剪定(せんてい)作業などに適するという。首の後ろに当てるクッションに、両肘に装着するリング状の部品がつながった形状。頭を後ろに傾け、クッションにもたれて使用する。左右の腕のサポート力はそれぞれ調整できる。重さは160グラム。

菊池製作所
菊池製作所(東京都八王子市)は、重量物を持ち上げるときに腰への負担を減らす「楽ウェア」を紹介した。背中にあるゴムの張力を利用して、腰への負担を軽減する。臀部(でんぶ)から腰にかけて幅が広いパッドがあり、「座っているような感覚で作業ができる」(製品販売部)という。キャベツやダイコンなど重量のある作物の収穫に適しているとする。本体は1・5キロ。
