海岸沿いから山間部まで、幅広い農地には野菜や果樹の多様な品目が育つ。合併で取扱品目が広がるメリットを、農業者とJA、消費者をつなぐ直売所を通じて生かそうと、同課はブランド力の向上、収支改善、ファンづくりから取り組んだ。
5カ年計画で右肩上がりの成長を目指す「ファン拡大!直売所チャレンジプログラム」を策定した。取り組むべき約140項目をリスト化し、課題や状況を可視化したものだ。

同課の職員が訪問時に進捗(しんちょく)状況をスタッフと共有し、改善策を提案。全店舗の取り組み状況を共有し、店舗間での前向きな競争意識も生まれた。同課の山崎哲央課長は「まずは店舗運営の基本に立ち返り、来店者を増やそうと考えた」と話す。
23年9月からは売り場の充実に向け、直売所と選果場を結ぶ物流トラック「ミルクラン」を導入。JAは県内トップクラスの果樹産地を持つが、主産地の三条市や加茂市から、柏崎市のJA農産物直売所「愛菜館」までは約60キロ離れている。全店舗で旬の果実などの生鮮品が販売できるようになり、全域でのPRと認知度向上になった。
長岡市でたかやまきのこ園を営む高山綾子さんは「ミルクラン」の導入で近隣の直売所以外にも販路を拡大。「輸送にかかる負担が大幅に軽減された。販売計画も立てやすくなり、売り上げが伸びた」と話す。

五つの直売所の23年度の売上高は、前年度から10%増の21億1000万円。レジ通過者は同7%増の110万人と、初年度から成果が出始めている。