最近好きになった野菜といえば、アスパラガスもそうです。なぜか母はずっと食卓に出さなかったんですよね。だけど半年くらい前、アスパラを焼いて、しょうゆとニンニクで味付けして出してくれたんです。おいし過ぎてはまっちゃいました。「毎日作って」とお願いしています。
もう一つ、母が作る料理で毎日食べても飽きないものがあります。薄く切ったニンジンと三つ、四つにカットしたインゲンマメを炒めて、ごま油と塩と麺つゆで味付けをしたものです。ごま油の香りが、食欲を刺激します。母の帰りが遅かった日、私が作ってみたんですよ。家に着いた母は「道路の方までいい匂いがするからどこの家だろうと思っていたら、あんただったのね」とうれしそうに言っていました。 料理といえば、私は最近、大好きなカボチャを使って、煮付けやスープを作るようになりました。ネットでレシピを見ながら。母には「そういうのを見ないで作れるようになったら、一人前」と言われますが、私はまだまだ。間違えないようにレシピ通りに作ります。
この間、沖縄に住む祖母の家に行ったら、カボチャの天ぷらを作ってもらいました。沖縄の天ぷらはカボチャの切り方が大きく、東京の4倍くらいの厚みなんです。厚い分だけ甘味も強く感じました。
祖母の家のそばにパーラーがあって、そこのランチョンミートおにぎりは甘いみそ味で、行くたびに食べてしまいます。それと、おぼろ豆腐みたいなゆし豆腐もいいですよね。沖縄に行ったら、必ず沖縄の料理を楽しむようにしています。 私は郷土料理が好きで、撮影のため全国各地に行くとその土地の名物料理を食べます。できれば観光客向けのお店や料理ではなく、その土地の人が本当に愛する料理に触れたいと思っているんです。撮影で行くと地元のコーディネーターの方が案内してくれるので、この職業で良かったなと思っています。
この間行った金沢は素晴らしかったです。海鮮がおいしいし、能登牛は脂が乗っていたし。忘れられないのがカレー。カツカレーのカツにソースをかけていただきました。
今回、「GONZA」という映画は奈良で撮影をしました。作家の志賀直哉先生は「奈良にうまいものなし」と言ったと伝えられますが、ありましたよ、おいしいものが。
まず「ぶと饅頭(まんじゅう)」というお菓子。香ばしく揚がった生地に、あんこがぎっしり入っています。カロリーが高くてたくさんパワーが付くんです。普段はカロリーの高いお菓子は食べないけど、つい食べちゃいました。撮影は体力を使うんですよね。「ぶと饅頭」があったから頑張れたといっても過言でないくらいです。
もう一つは「権座」と呼ばれる野菜の煮物。ニンジンやサトイモなどが入っていて、しょうゆ味。映画でこれを食べるシーンがあるんです。短い時間なのに、私はパクパクと4個くらい食べたんじゃないかな。おいし過ぎて箸が進み過ぎました。味付けもいいんですけど、食材の野菜も良かったんだと思います。 野菜の話ばかりしてしまいましたが、私はお米も好きです。お昼にご飯をドーンと食べます。カレーライスドーン、うな重ドーン、海鮮丼ドーンといった感じで(笑)。それにたしなむ程度ですけど、日本酒も大好きなんですね。甘酒も好きだし、塩こうじも腸内環境にいいからありがたい。ですから私にとっては、お米さまさまです。野菜とお米を作ってくれる農家さんには、本当に感謝しています。農家さまさまだと感じています。
さかまき・ありさ 2000年、埼玉県生まれ。モデルとして、TGC teen、ファッションリーダーズ、関西コレクションなどに参加。20年、「魔女」「CAT」という2本の短編映画で立て続けに主演し、22年には「夜を走る」で長編映画デビューした。映画「GONZA」は6月23日に奈良県先行公開、30日から全国順次公開。今年は他に出演映画が2本公開され、女優として活躍の場を広げている。