寝る前に「明日は何を食べようか」と必ず考えるぐらい、食べることが好きなんです。私が一番好きな食べ物は、お米。「死ぬ前に食べたいものは何ですか?」という質問をされたなら、迷いなく「ご飯」と答えます。「おかずがあったらもちろんうれしいですけど、ご飯だけでもいいです」と。

子どもの頃、空手の稽古に行く時には、母がいつもおにぎりを持たせてくれました。それは私の食事の思い出の一つですね。おにぎりは食事であると同時におやつ代わりの感じ。一番好きな具は梅でした。
高校時代のことです。朝ご飯を家でしっかり食べても、昼休みまでの間におなかがすいてしまうんです。それで母がお昼のお弁当の他におにぎりを作ってくれて、2時間目が終わった後に食べていました。
このおにぎりの中には、具がいっぱい詰められていました。ウインナーとか卵焼きとか、お弁当のおかずになるものが入っていたんです。そのため普通のおにぎり2個分くらいの大きさがあって、友達にもびっくりされました。
それくらいお米が好きですね。お米がないと、何も食べ進まないんです。焼き肉屋さんに行っても、しゃぶしゃぶ屋さんに行っても、ご飯と一緒でないとお肉が進んでいきません。和洋中どんなお店に行っても、絶対にご飯を頼むぐらい。

先日、撮影で新潟の方に行かせていただいた際、毎朝お米の食べ比べみたいなのがあったんです。私はお米好きといっても、食べてその品種が分かるほどではありません。純粋にどのお米もおいしく食べますね。でも新潟で食べ比べをした時には、それぞれの甘さだったり食感などの違いがよく分かりました。その時に撮影した作品はけっこう重いテーマのものでしたが、毎朝の食べ比べが楽しかったおかげで乗り切れたと言っていいんじゃないでしょうか。
ですから、海外に行ってつらいのは、日本のお米を食べられないことです。私は食べ物で嫌いなものは全くないので、どの国に行っても困ったことはありません。これまで15~20カ国くらいに行ったと思いますが、基本的にはどの国の料理もおいしく食べましたし、おなかを壊したこともありません。インドに1週間くらい行った時、朝昼晩3食カレーだったんですけど、全然平気でした。その土地のおいしいものを調べて喜んで食べるんですが、それでも日本のご飯が恋しくなります。

アクションシーンが多い作品では、撮影前には体作りのために脂身が少ない鶏肉などを多く食べるように心がけています。それで撮影が終わって自分にごほうびをあげる時には、ステーキや焼き肉などしっかり脂のあるお肉を食べますね。
香港の「打天下2」というドラマ(香港で昨年放送)で、主役級の大きな役をいただきました。空手選手として試合に出るシーンもありますし、その他に敵と戦うシーンもあったんです。それが、私が大好きなジャッキー・チェンさんのアクションチームの方たちと一緒に戦うシーンだったんです。長回し、ワンシーン・ワンカットで撮ると言われて、緊張感とうれしさが入り混じった夢のような環境でのアクションシーンでした。
そのシーンを撮り終えた後に、おもてなしをしていただいたんです。テーブルいっぱいに香港料理が並べられていて、うれしくて感動しました。ワンタンメンなど麺類もとてもおいしかったんですが、しっかりお米も食べたことを思い出します。
(聞き手・菊地武顕)