
手間を省こうと
県北東部に位置する同地域は、平坦で豊かな土壌と水に恵まれ、県内随一の穀倉地帯。天候にも恵まれ、昔から水稲と麦の二毛作が行われている。
かつてもち米が高価だったため、ボリューム感を出そうと赤飯の中にまんじゅうを入れたのが始まりといわれる。まんじゅうと赤飯を食べたいという家族の希望から、手間を省くため同時に蒸してできたという説もある。
JAほくさい女性部騎西中央支部支部長の梓沢幸子さん(77)は昔、年1回帰省した実家から戻る際、婚家や近所、仲人にいがまんじゅうを土産にしていた。「婚家では遠慮して土産のいがまんじゅうを食べることができないだろうと、実家でおなかいっぱい食べさせてもらった」と振り返り笑う。
蒸して形整える
祭りや野上がりでは手伝ってくれた人に振る舞うため、たくさん作る必要がある。時間短縮で、赤飯とまんじゅうを一緒に蒸して、最後に形を整えるのが昔ながらの作り方だ。別々に蒸して、最後に赤飯でまんじゅうを包んでもよい。
梓沢さんは「若い人に昔ながらの作り方がつながっていけばうれしい」と願う。
レシピ
■材料(50個)
(まんじゅうの皮)小麦粉1キロ、A(砂糖400グラム、湯300ミリリットル、卵2個、牛乳200ミリリットル、重曹41グラム、酢大1強)
(手粉)小麦粉1キロ、重曹41グラム
(あん)小豆・砂糖各600グラム、塩7・5グラム
(赤飯)もち米2・5キロ、ササゲ90グラム
■作り方
(まんじゅうの皮)
①ミキサーにAを入れ30秒かき混ぜる
②小麦粉を入れたボウルに①を流し入れ、ボウルを回しながら木べらで空気を入れるように照りが出るまで混ぜる
③手粉を2回ふるい、バットに平らに用意する
④バットに②を入れ、棒状にまとめ、40グラムずつ分ける
(あん)
①鍋に小豆と小豆にかぶる位の水(約7リットル)を入れ火にかけ、沸騰したら湯を捨てる
②①に水を差しながら軟らかくなるまで煮て、砂糖、塩を入れ煮詰める
③木べらで混ぜながら鍋底をこそぎ、底が見え、あんがゆっくり戻るようになったら火を止める
④冷めたあんを40グラムずつ丸める
(赤飯)
①もち米は洗って水気を切る
②鍋にササゲと水(適量)を入れ火にかけ、沸騰したら水を差し、再度沸騰したら火を止める
③ササゲと煮汁を分け、煮汁を冷ます
④もち米を煮汁に漬ける
⑤もち米の水気を切り、ササゲを加える
(仕上げ)
①まんじゅうの皮であんを包み、丸く形を整える
②せいろ(4升用)にぬれ布巾を敷いて、もち米を敷く。その上に隙間を空けながらまんじゅうを並べる
③まんじゅうが隠れるくらい、もち米をかぶせる。その上に同様にまんじゅう、もち米を重ねる
④せいろを火にかけ、湯気が上がったら25分蒸す
⑤まんじゅうを1個ずつ分け、形を整える
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