同市は、浄化センターから出る下水汚泥の発酵堆肥「鶴岡コンポスト」を紹介した。堆肥の安全性を示すため、水銀、ヒ素、カドミウムなど重金属8成分を毎月分析し、ホームページで結果を公表している。年6回、重金属の流入源となる水源の分析もする。堆肥の生産・販売はJA鶴岡が担い、年間生産量は約550トン。増産の要望もあると報告した。
神戸市は、市民の理解醸成に力を入れていると説明。下水汚泥から回収したリンを「こうべ再生リン」と名付け、子ども向けに、回収リン入り肥料を使ったトウモロコシの収穫体験などを開いているとした。回収リンは年間78トン(2022年度)を肥料メーカーに出荷している。
農水省は、策定を進める下水汚泥由来肥料の新規格「菌体りん酸肥料」について説明。成分分析でリン酸含有量を保証することで、農家が施肥設計しやすく、使いやすい規格になるとした。他の肥料と混合でき、不足成分を補える。
国交省によると、国内で年間約230万トンの汚泥が発生し、肥料利用は約1割にとどまる。同省は、各地の事例集や肥料利用の手引を作る計画だ。