日本農業新聞が19、20日、能登半島地域にある石川県内12市町を対象に、農業用ハウスへの避難の状況を聞き取った。避難所として使われているハウスは輪島市で3カ所(避難者数約80人)、珠洲市で2カ所(18人)、志賀町で1カ所(約10人)。残りの9市町では確認されていないという。
いずれも自治体の指定避難所ではなく、自主避難所に当たる。食料などの支援物資は、ハウスに直接届く場合や、近隣の指定避難所まで取りに行く場合に分かれる。
この他、地震発生直後は能登町にも1カ所(約40人)あった。道路が寸断された集落の住民が避難していたが、現在は近隣の避難所に移っているため、ハウスへの避難者はいないという。
各市町によると、ハウスへの避難者は、指定避難所への移動が難しい高齢者が多い。また、避難者が多い指定避難所に比べて、広いスペースを確保できることを理由に、ハウスへの避難を選ぶ住民もいるという。今後、災害で指定避難所が使えなくなる不測の事態を想定して、一時的な避難所としてハウスの活用を期待する自治体もあった。
一方、ハウスに避難する課題を聞き取ったところ、「雪で倒壊する恐れがある」(珠洲市)「厳しい寒さで体調を崩す可能性がある」(輪島市)といった指摘があった。