小売り大手のイトーヨーカ堂は、イトーヨーカドー大森店(東京都大田区)で随意契約で調達した備蓄米の販売を始めた。2022年産のブレンド米で、価格は5キロ2160円。「随意契約 備蓄米」と書かれたのぼりや店内広告(POP)が並ぶ特設売り場に、500袋が並んだ。
割安な備蓄米を求めて子育て世帯や高齢者が殺到し、開店15分前に整理券の配布は終了。開店後も備蓄米の在庫を訪ねる客が後を絶たなかった。同社の山本哲也社長は「米の価格が上がっている中、選択肢の一つとして少しでも安い米を提供したい」と話した。
アイリスオーヤマは、宮城県と千葉県の系列ホームセンターで随意契約の備蓄米の販売を開始。5キロ2160円で売り出した。95袋を入荷した仙台市のダイシン幸町店では、開店1時間半前に250人もの行列ができ、購入できなかった来店客も多く見られた。
先頭の仙台市の男性(49)は、午前0時から店に並んでいたという。「以前のように安い値段で米が食べられるのはありがたい」と話した。
インターネット販売も、入手困難な状況が続いている。楽天グループ、アスクルのインターネット販売サイトは午後4時現在も売り切れの状態。同日の午前10時から販売開始したイトーヨーカ堂のネット販売も、約10分で3500袋が完売した。アイリスオーヤマのECサイトは、先着販売から抽選販売に切り替えてエントリーを受け付けている。
(金子祥也、木寺弘和)

