[ニッポンの米]入札備蓄米買いやすく 単一銘柄は品薄傾向 本紙店頭調査
調査は6月上旬の平日に実施した。入札米の価格は5キロ3758~3974円。最安値は前月より87円上昇した一方、最高値は108円安くなった。入札米の在庫が豊富で20袋以上が米売り場に並んでいる店もあった。
農水省の店頭価格調査では、岩手、愛知、福岡を除く44都道府県で入札米の店頭在庫を確認しており、全国的に同様の傾向がある。
より割安な価格で並ぶ随意契約の備蓄米の状況も確認した。随契米を確保した企業の店は、調査対象の15店中7店あったが、調査時点で在庫のある店は確認できなかった。随契米の出回りは地域によって偏りが見られ、先行しているとされる都内でもまだ一部の店でしか入荷できていないと思われる。
入札米を購入していた都内在住の大野弥さん(58)は「行列に並ばなくても3000円代の米が買える。ありがたい」と話した。
一方、備蓄以外の単一銘柄は店によって在庫不足が顕著にみられた。備蓄米しか店頭にないのが2店、5キロ袋の在庫が一つもない店も2店あった。2024年産の販売終盤で単一銘柄米の在庫に不足感があるとみられる。米卸が備蓄米の精米を優先して単一銘柄の精米が後回しになることで、品薄感が強まった可能性もある。
新潟「コシヒカリ」、秋田「あきたこまち」の価格は、据え置きか値上がりした店に分かれた。入札米を確保できていないスーパーの最安銘柄も、値上がりした店が目立った。
前月に店頭から姿を消した輸入米は、今月も店頭に並べている店を確認できなかった。
調査概要
本紙記者が東京都内の15店のスーパーで実施。主要銘柄の新潟「コシヒカリ」、秋田「あきたこまち」と各店で最も安い銘柄の精米5キロ価格を記録。店頭に並ぶ銘柄の総数、政府備蓄米と思われる銘柄の在庫状況などを確認している。店舗は大手・中小・ディスカウント系のスーパー各5店舗となる。