近年の肉牛生産では、柔らかい肉質嗜好や効率のよい生産のために、高タンパクであるトウモロコシや大豆等を中心とした濃厚飼料が多く使用されています。世界的な穀物価格の高騰や、急速な人口増加による食糧不足から、持続可能な生産方式の研究が進められています。 日本の自然環境は本当に恵まれています。都会の空き地でさえ、ほうっておけば最初は雑草が生え、そこへ風や動物たちが木の種を運んできて、低木が育ちやがて林になっていきます。日本の国土からは無限に近いほど食物繊維が沸いてくるのです。この天然資源を私たちが活用する一つの手段こそが反芻動物の力を借りたタンパク質生産だと思います。
日本の恵みを餌にして、日本で育ったおいしい牛肉を子の世代も孫の世代も笑顔で食べることができる世界であってほしいものです。

総務部審査役 内田佑)