「苗づくりは、すごく大切。作物の成長の半分ぐらいに影響するほど」と考える山田さん。この育苗を左右する土づくりに落ち葉は欠かせない。葉を集めるために、里山の雑木林を70アール借りた。2年たった落ち葉を入れた里山の土や踏み込み温床の土に、もみ殻燻炭を加える。比率は1対1対1で、試行錯誤中だ。これらをふるいにかけて細かくする。もみ殻燻炭を混ぜる理由は、炭には無数の穴が開き、腐葉土由来の微生物が住みつくと言われているからだ。
自家製培土を使って、育苗箱で種から育て4週間ほどたった苗をポットに移し替えて、夏野菜の定植に備える。山田さんは「この土で 苗は微生物の力を借りながら、健康に育つ」と、期待する。
動画と文=福本卓郎
自然の力を借りて畑を育てる農業を目指したいーー。この思いを胸に、7年間の会社勤めを経て茨城県石岡市に移住した山田晃太郎さんは、小さい頃からずっと生き物が好き。農業は食べ物を作るだけでなく、生き物が育つ環境をつくること。自分が生き物の世界に入れる窓口が農業と、大学生の時に考えた。借りた土地は、広さ2.7ヘクタール。今年も60品目を栽培する計画を立てている。
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