「農家の特報班」が実施した農業版「今年の漢字」アンケート。農業には厳しい1年だったからこそ、前向きな投稿も集まった。
「挑」を挙げたのは長野県の果樹農家の男性(49)。「猛暑や資材高騰の中でもあきらめず、前を向いて挑戦した全国の農家の皆さんに敬意を表して選んだ」。自身も、凍霜害や猛暑・渇水による被害を防ぐ対策に挑み、最小限に抑えられたという。「私たちの職業は大事な食を守るもの。来年も誇りと自信を持って頑張ろう」と仲間へのエールも送る。
栃木県のネギ農家の男性(22)も、「コスト削減に挑戦した1年だった」として「挑」を選んだ。肥料を慣行より2割減らしても収量を確保し、上物率が向上。新型の動力噴霧器用アタッチメントの導入で除草剤の散布時間を減らし、燃料使用量も減らせたという。
「情“熱”を持って頑張ったから」と、愛媛県のサトウキビ農家の男性(42)は「熱」に投票した。移住・就農して4年目で、自ら黒糖に加工もする。「作業はしんどく、研究することも多い。農業は情熱がないとできない仕事」と話す。
栃木県の水稲農家の男性(70)は「拓」に、「未来への道が拓(ひら)け、農業が良い方に向かう」希望を込めた。来年以降、新たに発酵粗飼料(WCS)用稲の栽培を検討。「地域の将来を考えれば、耕畜連携をしていかないといけない」
秋田県の兼業農家の男性(34)は「猛」を選んだ。猛暑や豪雨の猛威、猛々しい熊で秋田には大変な年だったが、「秋田出身の中嶋聡監督のオリックスが猛烈に活躍してリーグ三連覇、猛虎の阪神タイガース日本一など、いいこともあったから」と前向きに捉える。
今年始めた「農家の特報班」。情報提供やアンケートへの回答にご協力いただき、ありがとうございました。来年も読者の疑問に答える調査報道に取り組み、アンケートは月1回程度実施します。LINEの友だち登録はこちらから。