東京都品川区の酒店「内藤商店」には、全国100種類以上のカップ酒が本棚のように並ぶ。地元で親しまれることを想定したカップ酒のデザインは、地域や酒蔵の個性が光る。手頃で飲み切りサイズのカップ酒は、飲み比べがしやすく酒蔵で異なる味わいをより感じられるのが特徴だ。
代表の東條辰夫さん(84)が約15年前、家庭に定着した缶ビールに着想を得て、カップ酒を多種類そろえて“ジャケ買い”を誘う売り方を始めた。
若者や訪日外国人らが、カップ酒のデザインで買うなど、新たな客層が生まれている。桜や古伊万里などの昭和レトロな柄、ご当地キャラクター柄も好調だという。
東條さんは「より洗練されていく日本酒に対して、よりローカルな酒を好む人も出てきた。デザインに富んだカップ酒が生まれてほしい」と期待する。
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