日本花き卸売市場協会の花き市場流通調査によると、取扱高上位50の市場のうち、35市場が22年の取扱高を下回った。鉢物の取扱量が多い卸は、鉢物の生産減少やコロナ5類移行での家庭需要の弱まりから減少が目立った。24年問題の対策が始まり、大都市や産地の拠点になる市場に品物が集中。地方の市場に直接品物が届かなくなるケースも出始め、取扱高の減少につながった。
品目別では、切り花は輪菊や小菊、テッポウユリなどが数量、金額ともに前年を下回った。単価高でも数量の減少幅に追い付いていない。一方で、スプレイ菊やカーネーション(スタンダード)、カスミソウ、スイートピーなどは数量、金額とも増え堅調だった。鉢物は主要品目の数量が軒並み落ち込んだ。特に花苗は、夏場の高温の影響で生育不良などが見られ前年比38%減。単価高でも金額は2%減と前年割れした。
同協会の福永哲也会長(フラワーオークションジャパン社長、豊明花き社長)は「気象の影響が大きく出た年だった」と振り返る。特に夏の記録的な猛暑は、生産だけでなく需要にも影響し、ガーデニング離れが広がっていると指摘。供給が不安定になり、相場の乱高下もあった。品目や品種の変更で需要の受け皿をつくる必要があるとする。24年問題については、全国各地の消費者に安定的に商品を届けるため「物流網の再構築や取引のDX(デジタルトランスフォーメーション)化は必須だ」と強調した。
