桜を植えたのは、牧場で働く蛭田あやのさん(23)の祖父。約30年前に約130本の「ソメイヨシノ」で牧場の外周をぐるりと囲った。
14年前に発生した東京電力福島第1原子力発電所事故で、同町は避難指示区域となった。あやのさんは当時9歳。母と町外に避難し、祖父母や父とは離れ離れになった。
いわき市の高校を卒業後、実家の酪農を継ぎたいと帯広畜産大学に進学。畜産学部で牛のことを一から学んだ。昨年卒業し、牧場のある同町に戻った。
現在は牧場主で父の博章さん(56)と親牛約90頭、育成牛約40頭の約130頭を飼育する。
あやのさんは「久しぶりに牧場の桜を観れて懐かしくなった。父に学びながら、食卓に美味しい牛乳を届けていきたい」と意気込む。
(山田凌)



