放送作家の小山薫堂氏がプロデュースする食を題材にしたパビリオン「EARTH MART(アースマート)」。テーマは「食を通じて、いのちを考える」。枯れた野菜で作ったオブジェや、大量の鶏卵を使ったモニュメントなどで食と命の循環を感じてもらう。6月には会場内で、JAわかやまや農家らでつくる「紀州梅の会」が提供する「南高」約1トンを漬けて展示。来場者には25年後に使える引換券を配る。
奈良県は食や文化、産業を紹介する企画のうち、5月28日に茶農家が大和茶の歴史や入れ方を紹介する。
大阪府や大阪市による大阪ヘルスケアパビリオンでは、関西に本社を置く企業が「食」にまつわる展示や体験を行う。
島津製作所(京都市)は、培養肉の実物と製造機械を展示する。ビタミンやミネラルなどの栄養素を添加し、個人の健康や好みに応じた肉を家庭で作る未来を描く。
六甲バター(神戸市)は、植物性チーズやこんにゃくベースの肉代替食品(代替肉)を使ったサンドイッチなど、全て植物性由来食材のメニューを提供する。
海外パビリオンも注目だ。循環経済がテーマのドイツ館は、キノコの菌糸由来の素材で作った建材を使う。使用後は土に返る新素材だ。フードロスや薬剤に頼らない最新除草技術をゲーム形式で楽しめるコンテンツもある。米国館では人工知能(AI)を活用した農作物モニタリングや、ドローンといった最新技術を没入感のある映像で体感できる。
「テーマウイーク」は、おおむね1週間ごとに内容を変え、計8つの地球規模の課題を話し合う企画だ。「食と暮らしの未来」がテーマの6月5~16日には、フードロスや食育などを議論。6月8~15日には、農水省などが農耕儀礼の実演などを予定する。
(木村泰之)
