[農畜産物トレンド調査]リベンジ消費に期待寄せ 景気見通し改善
日本農業新聞の流通業者を対象にした農畜産物トレンド調査によると、2022年の景気見通しは前回と比べて改善した。最多は「やや良くなる」(49%)で前回より約30ポイント増加した。「業務・イベント需要が復活して景気が上向く」(食品卸)と、停滞していた消費が活発化する「リベンジ消費」への期待が見られた。
ただ、楽観的な見方ばかりでない。景気が「変わらない」(31%)、「やや悪化する」(18%)の回答も目立ち、22年も新型コロナウイルス感染流行前の19年水準にはまだ戻らないとの見方が多い。
新型コロナウイルスオミクロン株の流行で感染収束に不透明さが出てきた。原油価格や人件費、物流費などさまざまなコストが上昇する中で、生活者の賃金が増えておらず、商品の価格に転嫁ができるかが焦点となる。
農畜産物の需要動向を新型コロナ感染拡大前の19年と比べた場合、家庭用は「変わらない」(44%)が最も多いが、「やや良くなる」(37%)は「やや悪化する」(17%)を上回る。一方、業務用は「やや悪化する」(51%)が最多となり、「やや良くなる」(19%)との差が大きい。新型コロナ下で定着した家庭用の需要は高水準のままで推移する。一方、業務用は、20、21年に比べて回復するが、19年の水準には戻りきらないとの見方が強い。
[2022年農産物トレンド調査の結果(%)]
問1 2022年の農畜産物の販売キーワードは何だと思いますか。(複数回答)
①安定(価格・数量) 37
②安全・安心 47
③おいしさ 21
④簡便・時短 26
⑤気象 22
⑥健康(機能性) 31
⑦高級路線(プチぜいたく) 20
⑧地産地消・国産志向 30
⑨持続可能性(国連の持続可能な開発目標=SDGs・エシカル消費など) 49
⑩新型コロナウイルスへの対応 28
⑪小容量(少人数世帯対応) 12
⑫値頃感(節約志向) 26
⑬ネット取引・宅配 38
⑭物流 27
⑮有機(オーガニック) 7
問2 景気は21年と比べてをどうなると思いますか。
①とても良くなる 1
②やや良くなる 49
③変わらない 31
④やや悪化する 18
⑤とても悪化する 1
問3 景気は19年(コロナ前)と比べてどうなると思いますか。
①とても良くなる 1
②やや良くなる 14
③変わらない 20
④やや悪化する 61
⑤とても悪化する 5
問4 家庭向けの農畜産物需要はコロナ前と比べてどうなると思いますか。
①とても良くなる 1
②やや良くなる 37
③変わらない 44
④やや悪化する 17
⑤とても悪化する 1
問5 業務向けの農畜産物需要はコロナ前と比べてどうなると思いますか。
①とても良くなる 1
②やや良くなる 19
③変わらない 22
④やや悪化する 51
⑤とても悪化する 7