JA飛騨ミートは日本を代表するブランド牛である「飛騨牛」を、欧州連合(EU)、米国、豪州など世界18の国や地域に輸出しています。牛肉を輸出するためには、輸出先国の厳しい衛生基準をクリアする必要がありますが、同会は生体受入れからと畜、カット、出荷にいたるまでの全ての衛生管理を向上させ、2007年には品質・衛生管理の国際基準であるISO22000を、2017年には同じくFSSC22000の認証を取得しました。これはCodex食品衛生の一般原則において適正衛生規範(前提条件プログラム)と危害分析重要管理点(HACCP)方式に基づいて各工程における危害要因を分析し管理するものですが、その前提条件となるのが5Sや清掃などを含む「一般衛生管理」です。これができていないとHACCPは「絵にかいた餅」になってしまいます。
式典のなかでJA飛騨ミートの小林光士専務は、飛騨牛生産者の方々が生体を衛生的な状態で出荷してくださっていることへの感謝を述べました。また、志田浩一会長は、「作業終了後に2時間かけて清掃するなど、決められたルールを愚直に守って日々努力している全職員に対して心からありがとうと言いたい。」とねぎらいの言葉をかけました。
このような努力の結果、JA飛騨ミートは2021年に冷蔵牛肉の賞味期限を、「真空包装の部分肉を4℃保管で」従来の60日から100日に延長するなど我が国トップレベルの衛生管理を達成し、「令和3年度輸出に取り組む優良事業者表彰」で農林水産大臣賞を受賞したのです。
公益社団法人全国食肉学校
総合養成科第23期卒業
専務理事学校長
小原和仁