さて、このところの円安で彼らの本国への仕送りが目減りしているそうです。世界中に働くところはいくらでもあるとも言われています。では、技能実習生の新規入国者は減っているのかというと、実はそうでもないのです。昨年の4月5月にそれぞれ3.5万人近い大量入国があったのを除いて、その後は毎月1万人から1.5万人前後が新規に入国していて、2019年と大差ない数字となっています。その中にあって、お肉の関係では「牛豚食肉処理加工業職種」の「牛豚部分肉製造作業」が技能実習第3号まであり、技能評価試験の合格を前提に通算5年の在留が認められています。
先日私は、ベトナム国立農業大学の中にある「送り出し機関」で学ぶ技能実習候補生たちに会って話を聞いてきました。彼らの将来の夢を尋ねたところ、「家畜の生産会社を経営したい」「食肉会社を起業したい」「日本食レストランを開きたい」という返事が返ってきました。そのための手段として、他ならぬ日本に行って技能実習生として働きながら技能を身に着けたいということでした。 食肉産業の近代化が期待されるベトナムで、将来彼らが活躍する姿が目に浮かびました。
公益社団法人全国食肉学校
総合養成科第23期卒業
専務理事学校長
小原和仁