本校は昭和48年に設立し、「産学協同による実践教育」、全寮制による「心豊かな人間形成」の教育理念のもと、以来50年の間に2,650名を超える卒業生・修了生を食肉業界に送り出してまいりました。
平成23年11月に、内閣府から公益社団法人として認定を受け、お肉検定、食品衛生管理者登録講習会、外国人技能実習制度試験機関の認定など、公益に資する新規事業を立ち上げました。近年では、日本畜産物輸出促進協会主催の輸出先国及び招聘セミナーに加えて、国連工業開発機関との契約、アルゼンチン食肉科学貿易研究所との協定、ベトナム国立農業大学との連携など海外事業も増えてきました。
さて、食肉は私たちが健康で豊かな食生活を送るために不可欠な食材ですが、家畜の生産、と畜、カット、精肉加工など、熟練者の技能があって初めて生活者に提供することができます。その意味で、本校が果たすべき役割は益々重要となると考えております。
本校の学生は、産地食肉センター、JAグループ、食肉卸、精肉店、焼肉店の経営者や社員、それに6次産業化を目指す牛豚生産者などから構成されています。そして、家畜の命をいただくことに感謝し、食肉に関する高度で専門的な知識と技術を身につけることはもちろん、自ら考え、学ぶことのできる力を養います。また、仲間を大切にし、相手を思いやること、リーダーシップやチームワークの大切さを学び、将来、派遣元企業の経営者や幹部となることが期待されています。
食肉業界の活性化のためには、若手の人材育成は必要不可欠であると考えます。本日の創立50周年を契機に今一度創立の原点に立ち帰り、食肉業界そして広く生活者の皆様のお役に立てる学校になるよう、努力を続けていきます。
公益社団法人全国食肉学校
総合養成科第23期卒業
専務理事学校長
小原和仁