牛肉の部位にはいろいろな形をしたものがあります。牛のおしりの部分にある「らんいち」という部位を「らん」と「いちぼ」に分割し、さらに「らん」を3つに分割すると、通称「ネクタイ」という部位が現れます。副臀筋という筋肉で、ネクタイにそっくりな形をしています。さほど霜降りにはならないですが、焼肉にすると軟らかくてとてもおいしい部位です。
もうひとつ、今日はバレンタインデーにちなんで「ハート」をご紹介します。と言っても、心臓(ハツ)のことではありません。写真1は牛リブロースの断面ですが、そのロース芯の部分がハートの形をしていますね。たまにこのような形をしたリブロースがあります。通常ロース芯は丸く大きいものが好まれるので、このようなハート型は敬遠されます。
本校の卒業生に聞いてみたところ、いろいろな部位を整形して、写真2枚目のようなハート型を作ることがあるそうです。たまには大切な人と一緒にハート型のステーキをいただくのもいいかもしれませんね。お肉は栄養やおいしさだけでなく、このような遊び心も楽しめます。皆さんも手を切らないように気を付けて、ハート型のステーキを作ってみませんか?
公益社団法人全国食肉学校
総合養成科第23期卒業
専務理事学校長
小原和仁