２月４日から約１週間、本校１年コースの学生を引率して「オーストラリア食肉研修旅行」に行ってきました。この研修旅行は毎年この時期に行っていましたが、コロナ禍を経て今回が４年ぶりです。３つの食肉工場と、フィードロット、牛の繁殖農場、食肉専門店、スーパーマーケットなどを視察してきました。

　私が３０年ほど前に勤務していたＢ工場では、と畜、格付、カット、冷却、出荷までの工程をじっくり見学させていただきました。学生たちは学校では決して見ることができない世界最先端の衛生管理を間近にして、目を輝かせて真剣に見学していました。また、当時私を指導してくれた社員教育担当のＰさんが、朝早くから５時間以上かけてじっくり焼き上げてくれた「みすじ」ステーキと、女性職員が手作りしてくれたケーキで、本校の５０周年をお祝いしてくれました。

　Ｔさんの広大な牛繁殖農場では、豪州和牛の生産と飼育を見学させてもらいました。特別講義として、豪州食肉団体の元会長のＲさんから「豪州の牛肉産業」と題して豪州産牛肉の安全と衛生に関する取り組みについての話を聞き、日本産和牛取り扱い大手のＧ社からＫさんからは「豪州産和牛の生産と流通の現状」についてお話をしていただきました。本校１年コースの学生のうち５人が和牛生産者ということもあり、たくさんの質問が飛び出し、活発な意見交換ができました。

　このように学生にとって今までとは違う「別世界」を間近に見て、納得するまで質疑応答ができたこの研修旅行は何物にも代えがたい貴重な経験になったことと思います。この経験を糧に、残りの３週間で１年間の総仕上げをし、立派に卒業を迎えてほしいと思います。