
「結婚式を控えての入学だったため、最初はいやでしょうがなかったけど、今はもう1年いたいぐらいです、支えてくれた身重の妻に感謝します。」「人付き合いが苦手だったけど、仲間が助けてくれて自分を変えることができました。」など、仲間、講師、派遣元への感謝の気持ちを涙ながらに話してくれました。なかには「〇年後に精肉店を開店して自分が育てた牛の肉を販売します。」「〇〇牛を世界に広めます。」などの決意表明もありました。
卒業前の日曜日には「感謝祭」という行事がありました。1年間学んだ集大成として、お世話になった地元の方々に、上州牛や上州麦豚の枝肉から、自分たちで加工した精肉や惣菜、そして加工品を、加工経費や利益を抜きに販売し、大変喜んでいただきました。学生たちは寝る間も惜しんで準備し、笑顔で接客してほぼ完売することができました。学生皆で力を合わせて成し遂げた達成感が何物にも代えがたい貴重な学びになりました。
私たち講師は学生に食肉の知識や技術を教え、彼らはそれを吸収して自分のものにします。しかしそれ以上に大切なことは、学生たちがお互いに協力しながら切磋琢磨して自ら成長したことではないでしょうか。そのような学びの場を提供できたことを嬉しく思います。
公益社団法人全国食肉学校
専務理事学校長
小原和仁