総務省統計局が2月16日に発表した、総務省「家計調査」(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2021~23年平均)では、大変興味深い数字が出ています。

牛肉の1世帯当たり品目別年間購入数量は、多い順に奈良市、大阪市、堺市と、すべて西日本の都市が占めています。(ちなみに4位には東日本で唯一山形市が入っています。)逆に少ない順では、前橋市、新潟市、長野市と、すべて東日本の都市が占めています。
豚肉については、多い順に新潟市、福島市、相模原市と、東日本の都市が占めていて、少ない順では徳島市、高知市、北九州市と、すべて西日本の都市が占めています。
鶏肉はというと、多い順に熊本市、福岡市、大分市と、すべて九州の都市が占めており、少ない順には前橋市、長野市、水戸市と、東日本の都市が占めています。
このように品目ごとにはっきりとした地域別消費傾向が見て取れますが、ここでは特に上位と下位の差について見てみましょう。全国平均を100として、豚肉ではトップの新潟市は124、最下位の徳島市は73です。鶏肉ではトップの熊本市が125で、最下位の前橋市は78です。ともにその差はさほどでもないのですが、牛肉となると大分違います。トップの奈良市が148、最下位の前橋市は51なので、奈良市の購入量は前橋市の約3倍ということになります。
近年、西日本の豚肉購買量が伸びているので、前橋市の牛肉購買量の伸びるポテンシャルは高いということで理解したいと思います。
公益社団法人全国食肉学校
専務理事学校長
小原和仁