
先生が来日したのは、日本の和牛について勉強をするためです。昨年のドイツへの日本の牛肉輸出量は73トン、金額にして7億800万円でした。数量の前年比では146%の大きな伸びで、今や日本産和牛はドイツで大変な人気なのだそうです。その一方で、ドイツ産牧草肥育和牛や豪州産和牛なども入り乱れて流通しており、日本産和牛についての正しい知識の普及が課題となっています。
そのため、先生の要望に応えて、3つの食肉市場、格付団体、加工場、小売店、9つのブランド和牛の牧場、そしてそれぞれの和牛を提供するレストランを、私と先生とで訪問しました。どの施設に行っても皆さんに笑顔で丁寧に対応していただき、先生は日本産和牛について深く学ぶことができたことをたいそう喜んでおられました。
アウグスブルグ食肉学校の学生の中には日本産和牛について学びたいという希望者が一定数いるため、先生は来年度「和牛コース」を新設しようと考えています。その際には、1週間程度の実習を全国食肉学校で実施する考えも持っておられます。日本産和牛が正しい知識とともに適正な評価を受けて、ドイツの皆さんに笑顔で食べていただけるよう、私たちは協力していきたいと考えています。
公益社団法人全国食肉学校
専務理事学校長
小原和仁