2025年2月20日 [四季]東北のJA青年部員に、どんな記事を日本農業新聞の地方版で読みたいか尋ねたことがある | 主張 | 四季 | 青年大会 X Facebook Line Mail 東北のJA青年部員に、どんな記事を日本農業新聞の地方版で読みたいか尋ねたことがある。答えは、「自分の子ども以外に農業を継がせている事例」だった▼地域のお年寄りが、次世代へ農業を引き継ぐことを断念しているという。子どもは戻ってきそうにない、残念だけど先祖から引き継いだ農地はいずれ耕作放棄するしかない、と。でも「諦めないで、家族以外に引き継ぐ例が増えているよと伝えたら、先輩たちも元気になるはず」と青年部員たち。地域への思いは深い▼昨年開かれた農業普及員の全国大会では、家族以外に経営を引き継ぐ第三者継承の事例発表が目立った。新規就農者の募集に始まり、就農後も伴走支援するなど現場は大変。それでも課題解決の中で気付きがあり、連携が強まる地域がある。何より、外からの参入で産地が活気づき、家族継承も増えるうれしい相乗効果も出ている▼新規参入への懸念は根強いものがある。でも途絶えるよりはいい。農業に限らず、国内企業の99%を占める中小企業の多くで経営者の高齢化が進み、大継承時代を迎えている▼「継」ぐには糸偏が使われる。たとえ糸は細くても、皆の力でつないでいきたい。「斤おの」で「断つ」ことがないように。 日本農業新聞の購読はこちら>>