ハウスは間口3メートル、奥行き4メートル、高さが2メートル。厚みのある2リットル入りのペットボトルの底に園芸支柱「ダンポール」とマイカー線を通し、アーチ状に18本を連結したものを骨組みに使う。
枠として地面に打ち込んだ単管パイプの両端にアーチを4列一組、中央部に3列一組にして接続。テントを張る要領で防虫網を覆った。
同大学校はアブラムシ類を防除するナミテントウを販売する。ナミテントウやタバコカスミカメなどの天敵昆虫を飼う小型ハウスが必要となり、同大学校の病害虫専攻教室の清水敏夫准教授が、18年に学生らと建てた。
清水准教授によると、園芸用の支柱を梁(はり)として使うなどして、最大瞬間風速が30メートル程度の強風にも耐えたという。
清水准教授は「さらに強い風や豪雪の恐れがあるときは簡単にたためる。ハウスを延長すればホウレンソウ栽培や育苗にも使えるだろう」と期待している。
農家向けのマニュアル作りに取り組む農学科2年生の澄川涼太さん(20)は「トマトなどの施設園芸農家が、このハウスで天敵昆虫を飼えればコスト削減につながる」と展望する。