青森市は全国有数の豪雪地帯だ。人口10万人以上の都市としては降雪量が世界一。同市の山あいにある青森空港では冬場、航空機が安全に離着陸するための効率的な除雪作業が不可欠となる。
破損防止のため手作業で除雪する500以上の航空灯火を含めて、東京ドーム12個分に相当する55ヘクタールの除雪に要する時間はわずか40分。多い時は1日で8、9回の出動するが、これまで除雪作業に起因する欠航は一度もないという。
JA青森ミニトマト部会長の我満智さん(54)は、空港除雪歴28年の大ベテラン。降り方や積もり方から除雪にかかる時間を判断し、管制塔とのやりとりも担当する。「自分が今どこにいるか分からなくなるくらい視界が非常に悪い中での出動もある。無線による『止まる』『進む』のような指示のミス一つで衝突事故につながる。隊員同士の信頼関係の上に成り立つ作業だ」と話す。
青森空港管理事務所でも、ツイッターアカウントを開設して応援。除雪隊の新規隊員を増やすためにも、除雪の様子などを発信して同隊の魅力を伝えている。工藤正興土木施設課長は「空港施設や設備を熟知しており、冬期の安全運航には絶対になくてはならない存在だ」と話す。
テレビドラマ「ナイスフライト」で取り上げられてさらに注目を集めるホワイトインパルス。我満さんは「今後は人材の育成に力を入れながら、一緒に活動してくれる新しい仲間も増やしていきたい」と語る。
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