博報堂生活総合研究所の「生活定点」(2024年調査)で「和風の料理が好き」と答えた人は、41・6%。調査を始めた1998年から24・2ポイント下落した。
長野県立大学食健康学科の中澤弥子教授は、和食離れを防ぐため、1日1食はみそ汁を取り入れることを呼びかける。「和食の魅力は栄養バランスが整っていること。特にみそ汁は具材によって、さまざまな栄養素を簡単に取れる」と強調する。野菜からはビタミン、海藻ではミネラル、豆腐や油揚げ、肉を具材にすればタンパク質を摂取できる。
一方で、みそ汁の塩分を気にする人も多い。中澤教授は対策として、カリウムを多く含む野菜や海藻を具材に選ぶことを勧める。カリウムは塩分を体内から排出する効果があるからだ。「だしを利かせれば、みその量を減らせる。減塩みそもあるので活用してほしい」と促す。
ただ、毎日食べれば具材を変えても飽きが来る。そこで、松田さんのお薦めがオリーブ油やごま油、ラー油などのちょい足し。「オリーブ油はトマトやズッキーニ、ごま油はニラやもやしなどの具材と相性が良く、具材の幅が広がる。風味も洋風や中華風になり、味変にぴったり」と説明する。
おいしいみそ汁を作るには、みそが重要。ただ、保存の仕方で風味や香りが劣化することもある。同社は冷凍庫での保存を勧める。松田さんは「みそは冷凍庫に入れても凍らないのですぐ使える。おいしいみそ汁を作るためにも保存法に気を使ってほしい」と呼びかける。
(岩下響)