花き卸取扱高 伸び一段落 23年1%減、家庭需要は定着
23年の取扱高の内訳を見ると、切り花は前年比0・2%増の2636億円だった。5月に新型コロナの感染法上の分類が5類へ引き下げられて外出機会が増えたことで、冠婚葬祭やイベントの需要が回復し、コロナ下で広がった家庭需要も定着した。
生産面では、記録的な猛暑で歩留まりや秀品率が低下。需要期前後に需給が乱れて相場が乱高下した。通年では数量減を単価高で補った。リンドウは夏の暑さで高温障害などが発生して数量は前年比20%減、取扱高も同13%減と、共に大きく落ち込んだ。
一方、鉢物は、生産の減少が影響し、22年比5%減の873億円。家庭需要は、暑さによるガーデニング離れやコロナの巣ごもり特需が去って弱まったものの、取扱高はコロナ発生前の19年を上回った。
今回の結果を受けて同協会は「コロナ下を経て、家庭消費の創出につながった。全国の消費者に花を安定的に届けていくことが必要だ」と話す。
市場卸別の取扱高ランキングを見ると、上位50のうち35が22年を下回った。減産が著しかった鉢物の取り扱い割合が多い卸の減収が目立った。
上位10市場卸の順位は、JF鶴見花き(大阪)が6位、JF兵庫県生花大阪本部(同)が7位と入れ替わったが、他の変動はなかった。同協会の加盟市場数は前年から2減った。
(菅原裕美)