台風接近で特別警報が出たのは、運用開始の2013年8月以来4回目。同庁は、九州南部で最接近する29日に中心気圧が925ヘクトパスカルに下がり、木造住宅が倒壊したり果樹などが根こそぎ飛ばされたりする最大風速50メートル以上の「経験したことのない風や高波の恐れがある」とし、30日正午までの48時間で計1200ミリの記録的な大雨が降ると予測する。
10号は28日、進路を北西から北へ変え、屋久島の東をゆっくりと北上した。午後6時現在、中心気圧935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速50メートル、最大瞬間風速(突風)70メートルで、勢力をさらに拡大しながら29日にも鹿児島、熊本両県境付近から上陸。進路を東に変えて九州を横断後、四国、近畿、東海、関東甲信と縦断、1日には太平洋へ抜ける見通しだ。
同庁はこの日、東京で緊急会見。中心気圧930ヘクトパスカル以下か最大風速50メートル以上を「伊勢湾台風」級と発表する基準を示した上で、今回の10号について、室戸台風(1934年9月)や枕崎台風(45年9月)などに続く基準を満たした台風になるとした。
30日正午までの48時間予想雨量を九州南部の1200ミリの他、九州北部800ミリ、四国700ミリなどとし、鹿児島県などに大雨でも特別警報を発表する可能性があると述べた。
