
最初に基本を身に付けさせ、自己流にならないよう注意しているが、豚から牛に授業が進むにつれて、豚の基本を忘れてしまい、自己流で行う学生が多く見受けられる。脱骨、精肉、調理、加工などの実習のほかに、座学では食肉流通、原価計算、衛生管理、解剖学など多岐にわたって勉強しているため、頭だけで覚えるのは難しいと思う。身体で覚える時間がもっとあればよいのだが、限られた時間ではなかなかそうもいかない。
「教える」ということは、理由を明確にした基本技術と、忍耐そして愛情を持った指導が必要だと思う。子供に教えるように何回も説明して、ナイフを持ったことのない学生が、徐々にできるようになった時はとても嬉しくなる。忍耐と愛情をもって教えることで、学生の成長した姿が見られるように、これからも私が持っている全ての技術や知識を伝えて頑張っていきたい。
公益社団法人全国食肉学校
総合養成科第12期卒業
専任講師
嶋田喜明