天理大学が農業生産法人 担い手育成、特産柿の振興も
柿の栽培管理技術は、業務委託契約を結ぶ大阪府内の農業法人が指導する。農地は市内農家から借りるが、面積の規模は未定。労働力は、農家を目指す学生アルバイトの他、就職先として選んだ卒業生らで確保する。同法人での研修などを経て市内で柿農家になる場合は、農地の借用権を譲渡することも検討する。
同市が地域ぐるみで有機農業に取り組む「オーガニックビレッジ」を宣言したことから、柿も有機栽培を導入する構えだ。
柿は、大学が天理駅前で運営するアンテナショップで売る他、天理駅前で8月に開店するアウトドア用品大手・モンベルの店舗併設カフェの食材に提供するなどして収益化する。学生によるブランディングを生かした販売も検討する。
大学は、農学部のような農業の実務に携わる人材を養成する学部の創設を考えていた。しかし、思うような実習先が見つからなかったため、大学が認定農業者となり、研修生を受け入れられる農業生産法人を発足した。
法人で社長を務める、岡田龍樹副学長は「学生が農業を就職先に選ぶには、川下まで見られる環境が必要。柿産地を支える人材が全国から集まるような魅力的な生産法人にしたい」と意気込む。