西日本各地で線状降水帯 台風10号 きょう四国再上陸
総務省消防庁や鹿児島県警などによると、29日正午の10号に伴う死者・行方不明者は、愛知県と鹿児島県で4人、負傷者は同県や宮崎県など4県で50人を超えた。建物の被害も九州南部を中心に相次いでおり、宮崎市ではハウスなど農業用施設の損壊も確認された。
10号はこの日、中心気圧980ヘクトパスカル、最大風速30メートル、最大瞬間風速45メートルの勢力で、長崎県島原地方から東へ進路を転換。気象庁は同日、奄美地方を除く鹿児島県全域で暴風特別警報を、一部地域で波浪、高潮の特別警報を継続した。鹿児島県枕崎市で51・5メートルの突風を記録した他、佐賀県唐津市で43・5メートル、長崎市などで38メートル台の猛烈な風が吹いた。
局地的豪雨も九州と四国で多発し、1時間雨量が香川県東かがわ市で103・5ミリ、宮崎県美郷町95・5ミリ、徳島県上勝町83・5ミリ。24時間雨量は美郷町658ミリ、宮崎県えびの市572ミリとなり、10県の観測地点で史上最多もしくは8月の最多雨量を更新した。
10号は30日未明には大分県に入り、豊後水道を横断した後、松山市付近から四国に再上陸する見通し。同庁は、愛媛、高知に加え、三重県など東海地方に線状降水帯が発生する可能性が高まっているとしている。