
同小は、県が子どもたちに朝食の習慣を付けてもらおうと5年前に始めた「朝ごはん推進モデル事業」指定3校のうちの1校。希望する児童に、地域のボランティア団体「あ東っ子応援隊」が配膳している。お昼ごはんの給食と違い、食材は県の呼びかけに応じた食品メーカーなど17社が無償で提供する。
この日の献立は、パン、スープ、ジャム、乳酸菌飲料、野菜ジュース。調理はできないので、そのまま渡せる食品が多い。
近年、朝ごはんを食べない小学生が増えているという。文部科学省の全国調査によると、理由の半数以上が「食欲がない」で、「食べる時間がない」「朝食が用意されていない」「太りたくない」などと続く。県子供未来応援課長の南亮介さん(42)は「朝食は健康的な生活の要。良い生活リズムを学びにつなげてほしい」と期待を込めて語った。
奥本さんが同級生たちと「いただきます」と手を合わせた。「ロールパン、おいしいね」「りんごゼリーは来週かな」。子どもたちの会話の輪が広がる。5年生の廣間和華さん(10)が「アスパラのみそ汁が一番だと思うけど」と周囲に賛同を求めた。
「私たちボランティアも子どもとの会話が楽しみ。無口だった子も朝ごはんを食べに来ることでよく話をするようになりました」。応援隊の真木香与子さん(67)の実感だ。
同小の一日は8時15分の朝礼から始まる。「チャイムが鳴っちゃう」。紫、水色、ピンク――。色とりどりのランドセルを背負った42人の子どもたちが、来た時よりも元気に教室へ向かっていった。
子どもの命を守る学校給食が注目を集める。全国の多様な取り組みを伝える。