高さは約19メートルで、1930年に大砲実射施設「陸軍伊良湖射場」の関連施設として建てられた。地域住民からは「六階建(ろっかいだて)」の通称で呼ばれ、現在は地元の農家が農機具倉庫として活用している。
戦後間もなく、同地は入植者や地元住民が農地として開拓した。強酸性で水持ちが悪い土壌だったが、農家が粘り強く改良。花きやキャベツなど、全国有数の農業生産額を誇る産地に成長した。
同市博物館副館長の天野敏規さん(53)は「塔は人を殺すための兵器を研究していた負の遺産でもある。平和を考えるきっけにしてほしい」と話す。