鎮碇は高さ2メートル、幅5メートル、奥行2・5メートルのコンクリート製。アーチ状の構造で、ここから離れた場所にある塔へワイヤを渡して訓練機を滑走させ、着陸などの訓練に用いた。同地一帯の約260ヘクタールにあった新田飛行場の名残だ。
鎮碇のある畑の持ち主、金子恵一さん(83)の父、敏夫さんは、飛行機の部品製造に携わった後に出征。一家は飛行場で暮らし、戦後は国から払い下げられた1・3ヘクタールで農業を始めた。
金子さんは「軍人だった父を思い出す形見でもあるので撤去できずにいた。戦争遺産として残してくれることになれば協力したい」と話す。