全国屈指の暑さを記録する埼玉県で、牛舎の環境を可視化した乳牛の暑熱対策が進んでいる。JA全農さいたまに生乳を出荷する農家らでつくる、全農さいたまCS(クーラーステーション)運営委員会は、赤外線サーモグラフィーカメラで牛舎の温度を測定。人工的に霧を作る機器や風速計で、牛舎内の空気の流れや換気状況などを診断し環境改善に役立てている。
取り組みは2021年度から開始。希望した会員農家に出向いて診断している。本庄市で乳牛90頭を飼う鈴木義之助さん(39)は、窓を開けファンを回すことで牛が寝られる温度になったことを診断で確認。鈴木さんは「数値化で家族と対策を共有できる」と喜ぶ。
運営委の事務局を担う全農さいたま畜産酪農部の吉田洋一部長は「資材や飼料高が続く中、農家に今できる改善策を提案したい」と話す。